僕が教職員という立場で関わってきた、ある学生Hくんの話をします。
Hくんが落ち込んでいました。
僕が声をかけても「大丈夫です。」しか言いません。
その次の日学校を休みました。
朝から僕とHくんで会話をしました。
「最近元気がないけど、どうしたんや?」
「誰々と喧嘩をしました。でもお互いが謝って解決したのになんかしんどくて、学校がとても嫌になりました。」
「喧嘩以外になんかあったんか??」
「特にないんですけど、なぜか嫌なんです。」
「なんでこうなっているのかが自分自身がわけわからなくて思い詰めてもわからなくて、それで更にしんどいです。」
泣きながら話をしてくれました。
でも本人はスッキリしていなくて、
もう少しだけ見つめ直せるように半日僕からは何も言わず、ゆっくり休むように伝えました。
夕方もう一度Hくんと会話をしました。
「少し落ち着きましたが、スッキリしていなくてまだ何かモヤモヤします。
「落ち着いてくれたから話するわな。」
「Hくんは、自分のことを知らなさすぎる。全く理解してないんよ。」
「Hくんを3年半見てきたけど、俺の方がHくんのこと理解してる自信あるで。」
「こういう時は嫌そうな顔してるし、こういう時は楽しそうな顔をしてる、この前もこんなことがあった時は舌打ちしてるのも見たよ。」
「自分のことを理解していないのに、なんでしんどいんだろう?って探しても見つかるわけないし、気疲れするし、変に体力削られるだけやで。」
「だからまずは、自分がどういう人間か知る必要があるねん。」
「知り方はまず行動することやね。」
「しんどくて休みたい気持ちはもちろんわかるんやけど、それだけじゃ解決しないよな?休んでたまたまよくなったとしても、また同じ状況になって解決するのに時間がかかるし、立ち直るのにも時間がかかる。」
「だから、勤務に行って、学校に行って、部活に行って、寮でみんなと関わって、その中で、どんな時にうれしく、たのしく、幸せに感じられるのか。嫌な気持ちに、モヤモヤする気持ちに、辛い気持ちになってしまうのかを意識して過ごしてみたらいいよ。」
「そうすれば自分がどういう人間なのかっていうのが明確になってきて、解決策もすぐに見つかるから。しんどい気持ちになる前に回避することができるから。」
「それと、語彙力をつけよう!自分が今どんな気持ちなのかをしっかり言葉にできるのかっていうのも大切やからな。言葉で表現ができなくて相手に伝わらなくてモヤモヤする人もいてるからな。」
「だから、今はしんどいかもしれへんけど、解決しようとする前に、自分探しをしたらいいよ。」
「明日は勇気振り絞って行ってみよう!」
この内容を話すると、次の日は学校に行ってくれました。
一週間後もうちどその子に話しかけると、とても楽しそうにしていました。
そして、自分の気持ちを言葉で表現してくれるようになりました。
この記事を見てくださっている皆さんの中にも
「自分を理解していない」「自分の気持ちを言葉で表現できない」人はいるんじゃないでしょうか??
学生が喧嘩するにもお互いの思いがちゃんと伝わらなくてすれ違いが起きることもよくある話です。
そして、問題が起きてきたときにまず解決しようとしてしまう人も多いと思いますが、
まずは根本の自分を知ることが大切だと思います。
さらに今時の若い人はなんでも言葉を略して話をしますから、適切な言葉を知らない子も多いような気もします。
ここで語彙力も必要だと思うんです。
「自分を理解する」「自分の気持ちを言葉で表現する」この2つはとても大切ですので、皆さんも参考にして過ごしてみてください!!
案外悩まなくていいことだ!って気づけることもあるかもしれませんから!!!
コメント